支援措置で、旦那に住所を知られないようにした話

支援措置で旦那に住所を知られないように
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住むところが見つかってすぐ、私は最寄りの警察署に向かいました。ここに住むことになった事情と、前の警察署に相談していた内容を引き継いでもらい夫に住所を知られないようにするためです。


目次

「なんで告訴しなかったの?」

対応してくれたのは生活安全課でした。前の警察署に問い合わせをしてもらい、引き継ぎをしてもらいます。

そこで一番最初に言われて、今でも印象に残っている言葉があります。

「なんで告訴しなかったの?」

簡単にそう言われました。「はあ」としか答えられませんでしたが、内心は正直、少しカチンときたのを覚えています。

そんなに簡単に、家族を訴えることなんてできない。

離婚をしたい相手ではあっても、子供の父親でもあるし、長年一緒に暮らした情もそんなに簡単に捨て切れるものではありません。
そう簡単に割り切れるものではありませんでした。

とはいえ、引き継いでもらえればそれでいいと思っていたので、自分からそれ以上は何も言いませんでした。
これから先、旦那に住所を知られずに身を守るために必要な手続きが、私には残っていたからです。

「なんで告訴しなかったの?」と言われましたが、これはこれで
後から、なるほど、そういう意味で言ったのかと納得しています。
これも、後に記事にしたいと思います。


支援措置とは何か

警察や市役所で教えてもらったのが「支援措置」という制度でした。

正式には「住民基本台帳事務における支援措置制度」といって、DVやストーカー、児童虐待などの被害者が、加害者に住所を知られにくくするための制度です。

支援措置を利用すると、加害者が市役所で次のようなものを取得して被害者の居場所を探すことを防げます。

  • 住民票の写し
  • 戸籍の附票(住所の履歴がわかるもの)
  • 戸籍の証明書(一部のケース)

対象になるのは、主に次のような人です。

  • DV被害者
  • 元配偶者からの暴力やつきまといがある人
  • ストーカー被害者
  • 児童虐待から避難している親子

手続きの一般的な流れは、次のようになります。

  1. 市区町村の窓口(市民課など)に相談する
  2. DV相談支援センター、女性相談支援員、警察などから「支援が必要」という確認を受ける
  3. 市区町村で支援措置の申請をする

自治体によって細かな手続きは異なりますが、私の場合はおおよそこの流れでした。

有効期間は1年、更新が必要

ここで意外と知られていないのが、支援措置の有効期間は1年間だということです。1年ごとに更新の手続きが必要で、期限が切れる1ヶ月前くらいから延長の申請ができます。
「一度手続きしたら終わり」ではありません。
私の今住んでいる自治体では、期限が切れる1ヶ月前くらいに市役所から通知がきて、来庁し延長手続きをします。
警察にも再度、相談しに行かなければなりません。

ちなみに、私の子供も支援措置をとっていますが、小さい子連れで真夏の暑い時期の更新に困っていました。

住民票取得にも制限がある

また、支援措置を利用していると、自分自身の住民票を取るときにも制限がかかります。原則として本人が窓口まで行かないと取得できなくなり、
コンビニのマルチコピー機でマイナンバーカードを使って住民票を取ることもできなくなりました。
不便に感じる場面もありましたが、それだけ厳重に守られているということでもあります。

ここで一つ、知っておいてほしいことがあります。支援措置は、住所を完全に秘密にしてくれる制度ではありません。100%安全とは言い切れないのです。

例えば、自分からSNSで場所がわかる投稿をしてしまったり、宅配便や郵便物から住所が漏れたり、勤務先など別の経路で知られてしまったりすることまでは防げません。
制度に頼りきるのではなく、生活全体で安全対策を考えることも大切だと感じました。


市役所で出会った「婦人相談員」の存在

警察署に行ったあと、市役所にも行きました。そこで出会ったのが婦人相談員(自治体によっては「女性相談支援員」という名称)です。

婦人相談員は、DV(家庭内暴力)や離婚、生活の困りごとを抱える女性の相談に乗り、必要な支援につないでくれる存在です。
相談できることは、次のようにかなり幅広くあります。

  • DVやモラハラのこと
  • 離婚のこと
  • 緊急避難先(シェルターなど)の案内
  • 警察や配偶者暴力相談支援センターとの連携
  • 福祉制度や生活保護、住まいの相談
  • 法律相談や弁護士への橋渡し
  • 心理的なサポート
  • 子どもがいる場合の関係機関との調整

特にDVの場合は、「今すぐ逃げた方がいいのか」「子どもを連れて出るにはどうしたらいいか」「住民票を隠せる制度はあるか」といったことを、一緒に考えてくれる存在です。
1本目の記事で、警察から「一時的に安全な場所で保護することもある」と説明を受けたお話をしましたが、実際には警察だけでなく、
こうした婦人相談員が連携して避難先やその後の生活を調整することも多いようです。

もし今、同じように悩んでいる人がいたら、お住まいの市区町村役場で「女性相談支援員(旧・婦人相談員)に相談したい」と伝えてみてください。それだけで担当窓口を案内してもらえます。


実際にやった手続きは「住所変更だけ」

住所変更の手続きのときも、婦人相談員が一緒についてきてくれました。情報が相手に漏れないようにするにはどうすればいいか、一緒に住民課の担当者と考えながら手続きを進めてくれたのです。
とても心強かったです。

このとき私がしたのは「住所だけ」の変更でした。まだ離婚が成立していない状態だと、年金や健康保険の通知が旧住所に届いてしまい、そこから居場所がバレる可能性があると言われたためです。

残りの手続きについては、離婚が成立して籍を抜くタイミングで、元の住所の市役所に事情を説明し、あらためて丁寧に進めることを勧められました。地元の婦人相談員にも、そのために連携を取ってくれていました。

警察署でもそうでしたが、市役所の方も本当に親身に対応してくださいました。ありがたい気持ちと同時に、過去にDVやストーカー被害のニュースが報道されるたびに、こうした対策が積み重ねられてきたのだろうと感じました。私は運が良かったのだと思います。


支援措置だけでは安心できないこと

支援措置を利用して住民票を移しても、それだけですべての行政機関で住所が秘匿されるわけではありません。年金(日本年金機構)、健康保険・国民健康保険、介護保険、税金関係は、それぞれ管理している機関が異なるため、別途手続きをしないと通知が以前の住所へ送られてしまう可能性があります。

私も当時、女性相談支援員や市役所の担当者からこう言われました。

「住民票を移しただけで安心しないでください。年金や保険なども確認しましょう」

制度は変わることもあるので、住所を変更する際は、市区町村や女性相談支援員、日本年金機構などに「支援措置を利用しています」と伝えて、必要な手続きを一つひとつ確認することをおすすめします。


まとめ

「なんで告訴しなかったの?」という一言にカチンときながらも、警察と市役所、婦人相談員という3つの窓口に助けられながら、私は少しずつ「旦那に居場所を知られない生活」を組み立てていきました。

支援措置は万能ではありません。それでも、一人で抱え込まずに相談したことで、住所を守る方法も、そのあとに必要な手続きも、ちゃんと知ることができました。

支援措置を検討している方のために、記事の中で触れた注意点を整理しておきます。

  • 支援措置は住所を完全に秘密にする制度ではない(SNSや郵便物、勤務先など別の経路から漏れることもある)
  • 有効期間は1年間。期限が切れる1ヶ月前くらいから更新手続きが必要で、警察への再相談が必要になることもある
  • 支援措置中は本人であっても住民票の取得に制限がかかる(窓口での本人請求が基本、コンビニのマイナンバーカード交付は利用不可)
  • 年金・健康保険・介護保険・税金関係は支援措置とは別に管理されているため、それぞれ個別に手続きや確認が必要

次回は、この後に踏み出した「離婚調停」を、一人で申し立てたときの話をお伝えします。

※制度の詳細や手続きの流れは、自治体や状況によって異なります。詳しくはお住まいの市区町村窓口や配偶者暴力相談支援センターにご確認ください。

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